【スタッフコラム】私に気づきをくれるもの
アートが好きであちこち足をのばしています。
先日、
アジア最大といわれる美術品の展示即売会に行ってきました。
といっても、もちろん見るだけです。
最近は美術品といっても油絵や彫刻だけでなく、
映像やパフォーマンスなど、
ビックリするようなものが美術作品として
販売・展示されていたりします。
ちょっと面白そうなものをいくつか紹介しますね。
棺桶に入った等身大の本物そっくりの人形、すっごくリアルです。本物の人間がパフォーマンスしているのかと思ったくらいです。
蛍光灯を繋げただけに見えるオブジェ。雲をイメージしているのでしょうか。分かりません~。
本物の動物のはく製に透明アクリルボールをいくつもつけたオブジェ。見入ってしまうくらい美しいです。関西在住の日本人作家の作品。
数億はくだらない…と思うピカソの作品。値段はついていなくて、「聞いてね」って感じでした。聞けませんよ~。もちろん本物です。
鏡状の床面に映っている部分、場所や空間全体も含めてアート作品。
たくさんの作品、いくつものプログラムのなかで、
特に気になったものがありました。
「Twenty-Five Minutes Older」
という特別プログラムです。
これは、展示会場の外、
実際に街中を走るトラム(路面電車)に乗って
実際に移動しながら体験する、
なんとアート作品!!なのです。
早速申し込んで、集合場所へGO!
集合場所に着いてびっくり。とってもお洒落なレストラン。夜には華やかな人たちが集う場所でした。
テラス部分もゆったりラグジュアリーながらもちょっとカジュアル。素敵なしつらえになっていて話が弾みそうです。このレストランの前の通りを走るトラムに乗り込みました。
車体も特別仕様になっていて遠くからでも一目でわかりました。2階部分に上がると電車内は真っ暗で、映像とナレーションのみ。
行き交う時間と人と街。
トラムの動く音と振動。車や街の雑踏。
乗り合わせた人たちの時間と人生。
様々なレイヤー(層)がどんどん折り重なっていきます。
街中を走る「Twenty-Five Minutes Older」のトラム。
トラムに乗っていた25分間、
いつもとは違う時間の流れの中にいました。
暗闇の中で、
キラキラ光る大切な記憶や大事にしていること、
色んな思いがどんどん湧きあがって来て
忘れていたことがどんどん思い出されて
宝物をもらったような時間。
それをそのまま、あの場所に、
トラム(=タイムカプセル)に詰め混んできました。
素敵な体験でした。
多分、その路面電車に乗り合わせた人たち
それぞれの体験があったと思います。
作者(アーティスト)と観客とスタッフ、
トラム、ナレーション、
街の時間と街の人々の生活、
皆がその場に居合わせたこと
そのシチュエーションで
起こりえた出来事と体験。
あるひとつの出来事、空間、時間を共有した人たち。
現実もおんなじだなと思いました。
私たちは日々関わりあいながら、
前に進もうとしている共同体なのだと。
それが生きるってことなのかも…。
そう思ったら、職場や友人、家族の面々が浮かんできて
感謝の気持ちがあふれてきました。
単なる25分後なのではなく、
ある素敵な経験を重ねた25分。
だから、
Twenty-Five Minutes After
ではなく
Twenty-Five Minutes Older
アートの魔法にまたかかってしまったみたいです♪
スタッフ AKI でした。